三浦基氏のモラルハラスメント問題について、その2

2020年2月27日

 前回の声明について、多くの方々から賛同や励まし、またご質問もいただきました。

三浦基氏のモラルハラスメント問題について

 あらためて、もう一度、簡単に整理をしておきます。

 今回のパワハラの内容については、音声記録や膨大なメモが残っています。
このすべてを「なかった」と言うことは、無理があると私は感じます。

 地点サイドも、「報告」のなかで、発言は一切なかったとは言っていません。発言の有無自体には触れずに、一方的に、ハラスメントは一切なかったと書いています。

http://chiten.org/news/archives/80

もちろん密室でのことですから、被害者側が、そのすべてを立証することは難しいかと思います。
しかし、裁判となった場合、被害者側の多くの証言者が、三浦氏の日頃の言動から、このような発言をする蓋然性が高いという証言をするでしょう。
 また、地点サイドの、たとえ三浦氏周辺の人間であっても、「このような発言は絶対にありません。三浦はそのような発言をする人間ではありません」と良心に誓って宣誓し証言することは難しいのではないかと思います。
 
これまで私が関わってきたハラスメント案件では、多くの場合、「そのような発言はたしかにしたかもしれないけれど、そのような意図ではなかった。そのように取られたのなら申し訳ない」と反省し謝罪をすることから解決の糸口を見いだしていきます。
 しかし今回の場合、地点側は、繰り返し、「ハラスメントは、まったくなかった」とだけ強弁しています。ここに、今回の案件の特異性があります。
ハラスメント行為を認めない、それを受け入れられないことの方が大きな問題だという点は前回も私見として指摘した通りです。それは館長という職の資質にもかかわる問題でしょう。

私が声明を出した直後に、京都を中心とした舞台芸術関係者計16人と京都舞台芸術協会が連名で、京都市に対して公開質問状を提出しました。連名には私の名前も入っていますが、こちらは土田英生さんを中心とした京都の演劇人が進めてくださったものです。
 双方とも、まったく別々に準備を進めていましたが、私が声明を出す数日前に、偶然、土田さんから連絡があり、私も連名に加わることになりました。
 
なぜ、これだけ多くの演劇人が危惧を表明しているのか。次年度の上演ラインナップが決まっていながら、それを留保するアーティストがいるという異常事態が、なぜ起こってしまったのか。ぜひ、多くの方にお考えいただきたいと思います。
 このままでは、「この程度の発言ではハラスメントにならない、公共性の高い地位についても問題はない」という、世間一般とは異なるスタンダードが演劇界にだけ存在することになってしまいます。

三浦氏の人格に関わる発言をするのは踏み込みすぎではないかという意見もあるようです。しかし、被害者サイドは、そもそも、このような展開を予想していませんでした。被害者サイドとユニオンは、名誉毀損にならない範囲内で告発を行ってきました。
 しかし、ハラスメント事件の係争中に、加害者側が公的な地位に就くという異例の事態が起こりました。再発を防止するために、私たち支援者はやむを得ず、私が声明を発表するという形で、さらに踏み込んだ表現を選びました。ご批判もあるでしょうが、私たちは公共性と緊急性に鑑み、必要な措置をとったと考えています。

 朝日新聞の報道では、以下のような記述が見られます。

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市は、就任を打診した昨秋に初めて三浦さんからこの問題を聞いたという。北村信幸・市文化芸術政策監は「『そういうことではないし、責任を持って対応する』と言うご本人を信じ、実績や専門性の点でお願いした」と話す。

https://www.asahi.com/articles/ASN2T63X4N2SPTFC00N.html

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 もし、この発言が報道の通りであれば、これも大きな問題だと私は感じます。なぜなら館長や芸術監督は、実績や専門性だけではなく、その人格や資質も問われるからです。
京都市にも、公開質問状に対する誠意ある回答を求めたいと思います。

 平田オリザ

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