アンドロイド版『変身』『秋田内陸阿房列車』終了。『暗愚小傳』あと4日

2014年10月13日

 アンドロイド版『変身』、『秋田内陸阿房列車』は、無事、全公演を終了しました。
 アンドロイド版『変身』は、台風にもかかわらず、多くのお客様においでいただきました。ありがとうございます。
『秋田内陸阿房列車』は、キャスト、スタッフが東京に戻ってこられるか心配ですが、上演の方は無事に終わりました。秋田には、11月にもアンドロイド演劇『さようなら』で、再度、お伺いします。

 『暗愚小傳』、アフタートークが一回追加になりました。今年は、ゲストを呼ばず、私がすべての質問にお答えします。すでに18日夜の回は一般チケットは売り止めになっておりますが、初日17日、19日(日)は、まだいずれもお席があります。公演の後半は混雑が予想されます。ぜひ、お早めにおいでください。

http://www.seinendan.org/play/2014/07/3564

 『暗愚小傳』は、戦後に、高村光太郎が書いた連作の題名です。あまり知られていませんが、以下の詩は、読んだことのある方もしらっしゃるかと思います。

報告(智恵子に)

日本はすつかり変りました。
あなたの身ぶるひする程いやがつてゐた
あの傍若無人のがさつな階級が
とにかく存在しないことになりました。
すつかり変つたといつても、
それは他力による変革で、
(日本の再教育と人はいひます。)
内からの爆発であなたのやうに、
あんないきいきした新しい世界を
命にかけてしんから望んだ、
さういふ自力で得たのでないことが
あなたの前では恥かしい。
あなたこそまことの自由を求めました。
求められない鉄の囲の中にゐて
あなたがあんなに求めたものは、
結局あなたを此世の意識の外に逐ひ、
あなたの頭をこはしました。
あなたの苦しみを今こそ思ふ。
日本の形は変りましたが、
あの苦しみを持たないわれわれの変革を
あなたに報告するのはつらいことです。

 高村光太郎の『暗愚小傳』自体は、詩としては、半ば破綻しているように私は感じますが、この詩だけは、いまも、ある程度力を持つように思います。そして、青年団の舞台『暗愚小傳』は、まぁ、だいたい、こういった内容のお芝居です。と書いても何のことか、伝わりにくいかもしれませんが。