『もう風も吹かない』富士見公演

2014年2月06日

 『もう風も吹かない』三重県津市、兵庫県伊丹市、香川県善通寺市での上演には、本当にたくさんのお客様においでいただき、ありがとうございました。
 いよいよ残すところ、あと2ステージとなりました。  今週末の土曜日、日曜日に埼玉県富士見市のキラリ☆ふじみでの上演になります。首都圏で、昨年の公演を見逃した方、もう一回観たいと思っていた方、是非、足をお運び下さい。

http://s.seinendan.org/play/2013/12/3157#tour4

 いつものこととはいえ、今回の旅公演は、ちょっと笑ってしまうほどハードな移動だったので、メモ代わりに書いておきます。

1月17日の早朝に駒場の家を出て、新幹線と近鉄特急を乗り継いで津駅へ。2時間舞台稽古をして、もう一度、近鉄特急、新幹線、マリンライナーと乗り継いで高松へ。夜は高松で講演会。高松泊。
18日、朝5時半に高松を出て昨日と逆のコースで津に戻り、10時から舞台稽古の続き、ゲネプロ、そして18時から本番。アフタートークのあとタクシーで津駅へ。近鉄特急、新幹線、京浜急行と乗り継いで羽田空港へ。日付変わって1時半、パリ行きの便に搭乗。機中泊
19日、時差の関係で朝6時半CDG空港に着いて、郊外線でパリ北駅へ。駅前のカフェで原稿を書く。11時、リヨン駅に移動してカフェで、2016年1月ハンブルグ国立歌劇場での新作オペラについての打ち合わせ、そのあと北駅に戻ってホテルにチェックイン。16時半、メトロで移動して、イレーヌ・ジャコブとジェローム・キルシャー夫妻の家で、今年の新作『変身』についての打ち合わせ。台本の荒訳が出来てきたので、俳優たちの感想を聞いて質問に答える。
 すでに一部発表されていますが、ノルマンディ演劇祭からの委嘱作品アンドロイド版『変身』は、『二人のベロニカ』でカンヌの主演女優賞を受賞したイレーヌ・ジャコブが出演します。日本での上演は10月に豊岡の城崎国際アートセンターと横浜のKAATです。  近くのレストランでみんなで食事。23時近く、さすがにフラフラしてきたのでホテルに戻る。
20日、8時過ぎに北駅から空港へ。11時発の羽田行きに搭乗。機中泊。
21日、早朝7時羽田着。そのまま国内線に乗り継いで伊丹空港へ。大学に出勤して健康診断。午後は、研究室で必死で原稿を書く。18時から授業。尼ヶ崎のホテルで3日ぶりに劇団と合流。
22日、早朝のロビーで、劇場の仕込みに向かう劇団員を見送って、私だけ鉄路豊岡市へ。12時半豊岡着。13時半から豊岡市役所幹部対象のワークショップ。そのあとアートセンター開設に向けての会議二件。劇場スタッフと会食。豊岡泊。
23日、午前中に大阪に戻り大学に出勤。13時から授業。授業終了後、伊丹アイホールへ。2時間場当たり稽古をして、もう一度大学に戻って別の授業。そのあと職員の送別会。
24日、午前中場当たり、12時伊丹駅発、JRを乗り継いで特急サンダーバードで富山県高岡市へ。16時から市民向けワークショップ。夜は講演会。そのあと市長と会食。
25日、午前中、大阪に戻って、午後からアイホールでの公演。打ち合わせ二件。夜の回は内田樹先生とアフタートーク。そのあと内田先生や、毎日放送の西靖アナウンサーなどもご一緒していただき、旅公演の中日打ち上げ。
26日、9時から12時まで、阪大基礎工学部でロボットを使った実験。劇場に戻ってマチネ公演。そのあとはホテルに戻って部屋でひたすら執筆。20時過ぎ、劇団員たちに呼び出されて食事。そのあとボーリング大会、余裕で優勝。また部屋に戻って原稿。
27日、午前中、自治体との打ち合わせ二件。マチネ公演+アフタートーク。終了後、追手門学院で会議に出席。
28日、朝8時台の便で青森空港へ。雪の中、出迎えの車で2時間かけて下北半島のむつ市へ。下北半島活性化委員会主催の講演会。夜は、主催の皆さんと食事会。
29日、むつ市の隣の横浜町の教育長のご案内で小学校を見学。この町は演劇によるコミュニケーション教育を積極的に取り入れて下さっている。六ヶ所村を通って八戸へ。八戸東高校表現科で2時間授業。夜は校長先生や先生方と懇親会。
30日、朝8時半から、さらに表現科で2時間授業。八戸からバスで三沢空港へ。三沢から伊丹空港、そこからリムジンバス、新幹線、特急南風と乗り継いで善通寺へ。『もう風も吹かない』善通寺公演初日。終演後、近隣の高校との打ち合わせ一件。宿舎で初日乾杯。劇団員が鍋を作る。
31日、近所にうどんを食べに行った以外、宿舎でひたすら原稿書き。17時、私が四国学院大学で持っているクラスの学生たちの創作発表。19時半『もう風も吹かない』本番二日目。
2月1日、朝7時台の特急で岡山へ、新幹線に乗り換えて博多で荷物を預け、さらに鳥栖市へ。午後、講演会。夜は市長と会食。博多に戻る。
2日、この日も佐賀県小城市で、青少年のネット犯罪などに関するシンポジウム。基調講演とパネルディスカッションに出席。夜は先生方と会食。また博多に戻る。
3日、朝7時の便で伊丹空港へ。阪大に出勤。15時の便で博多に戻り18時半から九州大学で講演。夜は先生方と会食。
4日、朝7時の便で、19日ぶりに帰京。モノレールと山手線を乗り継いで上野へ。東京藝術大学に出勤。会議。午後から『S高原から』の稽古。夜は『銀河鉄道の夜』熊本公演のための稽古。
 というわけで、やっと東京に戻ってきました。

 なお、私は現在、大阪大学を本務校とし東京藝術大学客員教授となっておりますが、この4月から、これを入れ替え、東京藝術大学アートイノベーションセンター特任教授、大阪大学コミュニケーションデザイン・センター客員教授となります。東京藝大で、何をどこまで出来るか、まだまだ未知数ですが、これまでの大学での経験を生かして新しい芸術教育の可能性を探って行ければと思っています。

 この旅の途中に、嬉しいニュースが飛び込んできました。青年団の舞台美術を担当している杉山至が、読売演劇大賞最優秀スタッフ賞を受賞しました。残念ながら、対象となった作品は劇団の上演ではありませんでしたが、学生時代から共に劇団員として活動してきた杉山の受賞は、何よりの喜びです。演出部の多田の東亜演劇賞の受賞に続いて、2014年は幸先のいいスタートを切ることが出来ました。 私自身も、これから、海外での比較的大きな作品づくりが続きます。さらなる飛躍を目指して頑張っていきたいと思います。

写真は、イレーヌ・ジャコブとジェローム・キルシャー夫妻の家の屋根の上、右奥に見えるのがサクレクール寺院。

こちらは出演者たちと、