おめでとうございます

2014年1月08日

 あけましておめでとうございます

 昨年は、年明けの北米ツアーから年末の『サンタクロース会議』丸亀、倉敷公演まで満場のお客様においでいただき、本当にありがとうございました。過去最多の六回の海外公演(7カ国・13都市)を含め、あわただしくも充実した一年でした。

 青年団の2014年は、『もう風も吹かない』の三重、伊丹、善通寺公演からスタートします。
 また、すでに稽古場では、3月の『S高原から』青年団若手+無隣館公演に向けての稽古が始まりました。3班体制ということで、アゴラは新年から人で溢れています。
二十代の最後に書いたこの作品を、若い俳優たちとじっくり作ることが出来るのは何よりの喜びです。

 私個人としては、年末年始で、この秋に公演予定のアンドロイド版『変身』を書き上げました。これから、翻訳、7月のパリでのプレ稽古を通じての上演台本の確定、そして9月の本稽古へと進んでいきます。再来週には最終打ち合せのために再度渡欧します。
 今月は、もう一本、単行本の原稿を仕上げなければなりません。海外での活動を中心に、『地図を作る旅』の続編を書いています。
 さらに、2月中に、オペラ『踊り子』の初稿を完成させます。上演は2016年1月の予定です。こちらについても、今回の渡欧の際に打ち合せをしてきます。
というわけで、この三ヶ月に原稿が集中してしまい、ハードな日程をこなしています。春からはもう少し楽になる予定です。

昨年のクリスマスイブに行った日本記者クラブでの会見の内容が、YouTubeにアップされています。

 最後に、昨年末、大きなニュースが飛び込んできました。青年団演出部の多田淳之介(東京デスロック主宰)が、韓国でもっとも権威のある東亜演劇賞の演出賞を受賞しました。併せて、演出作品である『カルメギ(かもめ)』は、作品賞、舞台美術・技術賞も受賞しました。
 外国人の受賞は初めてとのことです。
 昨年2013年は、青年団が『ソウル市民』を持って、始めて韓国上演を行ってから二十年目に当たる年でした。この節目の年に、劇団員が望外の大きな成果をあげてくれたことは、青年団の大きな誇りであり、また希望でもあります。
日韓・日中関係は、現在、非常に厳しい状況にありますが、芸術の力を信じて、韓国をはじめ多くのアジア諸国の演劇人と、さらなる交流を深めていきたいと思います。
残念ながら、この受賞は、国内ではほとんど報道されませんでした。欧米での映画や美術の受賞ならば大々的に取りあげられるにも関わらず、韓国における演劇賞の受賞が報道の対象にならないのは忸怩たる思いがあります。せめて、どこかの新聞が、「ひと」欄とかで取りあげるくらいのことはしてもいいのではないかと思います。
演劇が、より大きな市民権を獲得できるように、青年団、こまばアゴラ劇場とも、さらに活動の場を広げていきたいと思います。

ちなみに、ロボット演劇に関する、こんな論文も発表しました。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/tjsai/29/1/29_60/_article/-char/ja/

 というわけで、本年もよろしくお願いします。