初フィリピン

2016年3月18日

学会のためにフィリピンに来ています。東南アジアはたくさん回ってきましたが、実は初めてのフィリピンです。

『カガクするココロ』『北限の猿』の初日まで、あと三週間となりました。

 『カガクするココロ』『北限の猿』は、最近では、韓国の大学の演劇学科で毎年三、四校は卒業公演で取り上げられている作品です。青年団では久しぶりの上演になります。ぜひ、おいでください。

http://www.seinendan.org/play/2016/01/4934

 山極先生との対談も、観劇前に読んでいただけると、ますます面白さが増すと思います。

http://www.komaba-agora.com/2015/11/3348

日記の続き

2月12日からの日記

2月12日(金) 朝5時30分に起きて、6時20分にタクシーで津港へ。

7時の船で中部国際空港へ。

8時20分の便で成田へ。

成田のラウンジで仕事。11時半、成田発ヘルシンキ行きに搭乗。機中では、2時間ほど眠る。あとは原稿書き。畿内で久しぶりに『桐島、部活やめるってよ』を観る。15時(日本時間22時)ヘルシンキ空港着。

電話とメールで大塚さんの体調不良を知る。代役は永井に。先ほど『桐島』で観たのは虫の知らせか。ラウンジからメールで最低限の必要な指示。

17時25分ヘルシンキ発ハンブルク行き。機中1時間眠る。18時半ハンブルク着。電車でハンブルク市内へ。

19時半(日本時間午前3時半)ホテルにチェックイン。ブログをアップして、シャワーを浴び(バスタブなし)、非常食を食べて22時(日本時間午前6時)には眠る。長い一日が終わり。

2月13日(土) 3時(日本時間11時))に目が覚めて原稿書きと読書。岸田戯曲賞候補作品、ほぼ読み終える。朝7時朝食。ドイツの朝食を堪能する。本を読んでいる内に眠くなる。そのまま14時まで眠る。メールの処理をしてから街に出て、二度目の食事。チケットセンターにチケットを取りに行く。
19時劇場へ。今日は、中央の特等席で観る。観客は満員。舞台が無事に終わって、熱いカーテンコールがあり、私は2Fロビーへ。
ハンブルグ大学主催の観客とのアフタートーク。まず、私が三十分ほど話して、それからハンブルグ大学の日本関係の教授陣が、東日本大震災や福島第一原発事故について話す。
先回のライプチッヒ大学の学生との講演会では、「私は日本では中道左派くらいの位置づけだと思うし、原発再稼働には全面的に反対だけど、日本では、このオペラを観て「東電の悪を描いていない」とか見当違いの反応をする人もいると思う」という話をした。
この日の観客との質疑では、在留邦人の方から、案の定、「この芝居が、福島の復興のプロパガンダに使われる可能性はありませんか?」と聞かれた(丁寧な聞き方ではあったけれど)。ラストシーンで防護服を着て墓参りに行くオペラを、どのようにプロパガンダに使うのかは想像ができないけれど、まぁ、そうは言わずに「すべての芸術作品は悪用される可能性があります。悪用される可能性のない作品は、きっとつまらない作品です。今回の作品についても、観客の判断を仰ぎたいと思います」と答えたら、とてつもない反応の拍手が来てちょっと驚いた。
『海、静かな海』、とりあえず、今シーズンの上演はこれで終わり。来年には、すでに再演が決まり、そのあと世界中を回るらしい。

ホテルに戻って、この日は結局、徹夜で原稿を書く。新刊の新書、いよいよ佳境。