舞台版『幕が上がる』戯曲脱稿!

2015年3月21日

今日は,アンドロイド版『変身』早稲田公演のチケット発売日です。

http://www.seinendan.org/play/2015/03/4316

よろしくお願いします。

 昨晩、舞台版『幕が上がる』の台本を脱稿しました。予定より少し時間がかかりましたが、稽古前の読み合わせには間に合ってよかった。
 たくさん台詞を書きました。自分でも,書いていて「大丈夫かな、ももクロ?」と思うくらいに。まぁ、本広さんが、どうにかしてくれるでしょう。

 最後の舞台挨拶には伺えなかったのですが、ももクロさんたち宛に書いた手紙を三宅アナウンサーが読んでくれました。それがなんだか好評だったようで、行けなかった方たちから、何を書いたのか教えて欲しいとご依頼もあったので,こちらに掲載します。

 ももいろクローバーZの皆さん、全国行脚お疲れ様でした。
 私は、今日は、舞台の台本の最終締め切り日なので、家で原稿を書いています。
もうすぐ、皆さんの所に、台本が届くと思います。

 この一ヶ月、皆さんの舞台挨拶に、ときどきお邪魔させていただいて、楽しい日々を過ごしました。モノノフの皆さんは、一分一秒でもメンバーと会話をしたかったでしょうに、私のような者が乱入しても温かく迎えていただき、ありがとうございました。
 ももクロの皆さんは、本当に、素晴らしいファンの方に支えられていますね。

次に皆さんに会うのは、芝居の稽古場です。
 アイドル、アーティスト、映画女優、舞台俳優・・・皆さんは、宇宙の果てまででも行ける切符を持っています。
 どこまででも行って下さい。
 私の仕事が、宇宙の果てまで伸びる銀河鉄道の、その一つの停車駅であったなら、とても光栄なことです。

 日記の続き

2月23日(月)  当然、夜明け前に目が覚めて猛然と仕事をする。7時に階下に降りて朝食。ドイツのホテルの充実した朝食を楽しむ。8時過ぎ、杉山を出迎え。さらに部屋で仕事の続き。10時半に杉山と再合流して劇場へ。
 待ち合わせ場所の楽屋口に行くとスタッフがあけてくれて劇場に案内される。
 驚いたことに、セット仮組みされていた。急かされて、図面を二週間前に提出したのだけど、すでに、原寸で,それ仮組みされている。杉山と二人で笑ってしまった。
 三々五々、スタッフが集まってきて紹介されるのだが,とても覚えられるものではない。
 総勢五十人くらいが集まって、Bauprobeと呼ばれる、本番の一年前に行う最初のミーティングが始まる。この打ち合わせのためだけに,装置を仮組みしたのだ。そういうものだと聞いてはいたが,目の当たりにするとやはり驚く。劇場のシステムは国ごとに違って,それぞれの文化的な背景を持っているなどと,したり顔で教室で教えてはいるけれど、本当に、その中で,その中核で仕事をしなければ実感できないことはまだまだたくさんある。
五十人を前にして、まず私が、作品について十五分ほどの演説をする。この十五分で、作品の内容だけではなく、私がこの座組のボスであり、このボスは信頼に足る人物であるということを納得させなければならない。もちろん、ここにいる誰も私のことは知らない。ワクワクする。
 それから、制作サイドから全体の座組の説明があり、さらに一時間ほど,各パートに別れてミーティングを行う。
 私は、主にケント・ナガノさんと演出についての打ち合わせ。ときどき、各パートに呼ばれて説明をする。
 最後にみんな集まって,もう一度確認事項が話されて解散。2時間のBauprobeが終わる。
そのあと、昨日も行ったオフィスに呼ばれて、条件面の話し合い。ギャラを提示されて,その額の高さに驚いたのは生まれて初めてだった。大リーガーになるっていうのは、たぶん、こんな感じなのだろう。あとは、細かい,いつから舞台装置を組んだ稽古には入れるかとか、飛行機は何往復まで制作側の負担とか、宿舎はバスタブ付きにしてくれとか、そういったこともすべてここで決めた。飛行機は、公立劇場はエコノミークラスしか出せない決まりになっているらしい。
 照明のダニエル、舞台美術の杉山と一緒に,近くのイタリアンの店で昼食。食後、二人とは別れて劇場に戻る。
劇場に入ると,先ほどの仮組の舞台はすべてバラされて,オーディションが行われていた。
 そのオーディションも終わって、私の宣伝用の写真撮影。
 四十分ほど,様々なポーズをとらされて,やっと解放される。帰り際に舞台を観ると,いよいよ今晩の演目の仕込みに入っていた。
 ドイツのレパートリーシステムは、こういったことが前提となっている。
マネージャーから、先ほどの私の演説はとてもよかったと言われた。
ホテルに戻って仮眠。
 八時、ロビーで杉山と合流して,近くのレストランで,ドイツ料理っぽいものを食べる。まぁまぁ、おいしかった。ビールはさすがに美味。
 アルスター湖の湖畔を,少しだけ散歩してホテルに戻る。
 私と杉山の父親は、戦前、まったく同じ時期に,同じ旧制高校に入学している。そして当然、同じ時期にドイツ語を勉強している。その息子たちが、いま、ドイツで四番目に古いオペラハウスで仕事をしている。二人とも他界してしまったのは残念だけど。
部屋に戻って荷造りをしながら,さらに仕事の続き。今日は、あまり寝ないことにする。