谷賢一氏のハラスメント案件について

2022年12月16日

 このたび、劇団青年団演出部に所属する谷賢一氏がハラスメント案件で東京地方裁判所に告訴されました。
詳細は今後、司法の場で明らかになっていくかと思いますが、他の関係者の証言もあることから大筋の告発は事実であったと思われます。念のため、告発文と谷氏の反論も併記します。

https://note.com/saika_0702/n/ndccf29034690
https://note.com/mhpenguin/n/nb8ee9a0b2c19
https://www.playnote.net/archives/2752

 劇団の内規に照らして、谷氏は青年団演出部を退団することとなりました。
法律上は推定無罪の原則もありますが、被害に遭われた方の心情をより重く考え、また告発文にはなく訴状には記されている情報も得ていることから、今回の措置を執るに至りました。
 青年団はこれまでもハラスメントについては厳しい対応を続け、実際に、そのために(特に外部には告知せずに)退団となった者もいますが、今回は公共性の高い事柄のため、ここに、これを公表いたします。

青年団演出部は同人的な集合体であり、多くの場合、それぞれの演出家は、個別の独立した組織(劇団)を持っています。特に今回ハラスメントが起きたDULL-COLORED POPには、谷氏以外、青年団員は所属しておりません。そのため、当該劇団の内部で何が起こっていたかについては把握することが出来ませんでした。また青年団内のことではないので、今後もそこに直接介入することも出来ません。

 しかしながら、演出部を率いる劇団主宰者としての私の責任は重く感じています。
特に谷氏は福島県の復興にかかわる仕事もしていることから、これまでもハラスメントについてはくれぐれも注意するように、折に触れて申し渡してきました。結果として、それが効力を発揮していなかったことは忸怩だる思いです。

 現在、青年団は、これまでのハラスメントに関する内規をさらに精査して、新しいガイドラインと、それに対応するための劇団内組織を準備しているところでした。本件を受け、その準備を加速し、劇団内外でのハラスメントの予防、抑止にいっそう努めていきたいと考えています。
新ガイドラインなどは、完成後に、劇団ホームページに掲載の予定です(現在の内規は、2000年代初頭に制定された古いものに何度かの加筆があり、公表できる体裁になっておりません。しばらくお待ちください)。

谷氏は法廷で争うとのことですが、今後、青年団としては、被害に遭った方たちのお役に立てることがあれば支援をしていきたいと考えています。
取り急ぎ、ご報告いたします。

2022.12.15.

平田オリザ