市原幹也氏のセクハラ問題について

2017年12月21日

 昨夜ブログを更新して以来、メール、FBでたくさんの方からお祝いのメッセージをいただきました。一つ一つにはお答えできませんが、本当にありがとうございます。
 いま、私は青森県にいて、午前中は八戸東高校で授業と講演会、午後は下北半島の横浜町で講演を行ってきました。明日は青森から伊丹空港に飛んで阪大での授業です。相変わらずの生活ですが、できる限り子どもとの時間を増やしたいと願っています。
 青年団は、いま劇団員に50名ほどの子どもたちがいます。この日本で最も多産系の劇団の主宰者として、これからの自身の子育ての経験を生かし、劇団内で子育てと演劇活動が両立しやすい環境をさらに作っていきたいと考えています。

 さて、今日は、一転して、別のお知らせです。
 ここ数日、演出家市原幹也氏のセクハラ問題がネット上で取り上げられ、昨夜には本人からの謝罪文が発表されました。

http://ichiharamikiya.wixsite.com/ichihara/news01

 一連の告発の中で、市原氏が青年団への出演を匂わせてセクハラに及んだという記述がみられました。ここに、私たちの見解を記しておきます。

・私と市原氏は、ほとんど面識はありません。挨拶を一、二回された記憶がある程度で、ゆっくりと話したこともありません。当然、市原氏が青年団の活動に関わったこともありません。

・しかしながら、青年団の劇団員が、様々なレベルで市原氏の仕事に関わっており、おそらくそういったところから、上記のような発言になったのかと推測しています。

・青年団の公演のキャスティングは、私が一元的に担っており、劇団内でも最高機密事項として、制作陣にも相談することはせずに決めています。ですから口利きといったことは、そもそも存在しません。

・現在、青年団への入団は、私が主宰する私塾「無隣館」での二年にわたる選抜を経て入団できるシステムになっています。ここにも情実の絡む余地はありません。

・青年団は、女性が働きやすい環境を作ろうと考え、日本の劇団の中で最も早く、そして最も厳しいセクハラ・パワハラ規定を定めました。これに違反してやめてもらった劇団員も複数います。
 青年団は、小劇場界ではある種の権威であることも自覚していますので、この規定は劇団外にも適用されています。たとえば劇団員が地方でワークショップの講師をしたり客演をする際には、異性の参加者と個別に食事をすることなどは、原則として控えることになっています。

・上記のように、青年団員や青年団関係者がキャスティングなどを理由に関係を迫ることは二重、三重の規定によって厳しく戒められています。

 今回は、劇団の名前がセクハラに使われるという想定外の事態に直面しました。被害に遭った方々には、なんと申し上げていいのか分かりませんが、演劇そのものを嫌いにならないで欲しいと願うのみです。また、演劇界の責任ある立場の人間としては申し訳ない気持ちでいっぱいです。

 私個人としては、劇団の名前を犯罪行為に使われたわけですから、はらわたの煮えくりかえる思いです。被害者の受けた心の傷は長く癒えることはなく、またセクハラは再犯性が強いので、市原氏には二度と演劇界には関わって欲しくないと個人的には思います。

 以上、緊急性の高い事柄なので、思いつく範囲のことを書きました。言葉足らずの部分があるかもしれませんがご容赦ください。
 次回からは、豊岡市への移転に関する事柄や日記の連載を再開したいと計画しています。