ストラスブールから

2007年2月08日

 皆様、ごぶさたいたしております。
 新年のご挨拶をと思っていたのですが、日々の忙しさにかまけて、様々な報告が遅れてしまいました。
私自身は、昨年末から、北京とフランスを往復するような日々が続いています。ちょうど昨日も、北京からストラスブールにやってきたところです。

 昨年は、『ソウル市民』三部作に、多くのご来場をいただきありがとうございました。1989年の『ソウル市民』初演以来、17年にわたって再演を繰り返し、また続編、続々編を作るに至ったことは、何よりも劇団を継続してきたことの賜物だと感じています。
 今年も青年団は、『東京ノート』『火宅か修羅か』を新たなキャスティングで、アゴラ劇場でロングラン公演いたします。『ソウル市民』『ソウル市民1919』を持っての地方公演もございます。
 また、『隣にいても一人』を、全国で様々なバージョンで制作する予定です。

 劇団本公演の新作上演は、2008年度の『眠れない夜なんてない』までお待ちいただくことになりますが、別に二本の新作プロジェクトが進行中です。
 一つは、現在、ストラスブールで上演中の『別れの唄』です。
 これまでのフランスでの私の活動は、『東京ノート』『ソウル市民』など、過去に書かれた作品の仏訳台本が、フランス人の演出家によって上演されるというものでした。今回、初めて、ティヨンビル国立演劇センターの依頼で新作を書き下ろすことになり、演出にも深く関わることになりました。
 この公演は、1月21日にティヨンビル国立演劇センターで初日を迎え、現在、フランス国内を巡演中です。四月第一週には、世田谷のシアタートラムで上演、さらに五月にはフランスに戻り、伝統あるパリ東劇場での三週間の公演が待っています。
この作品には、青年団から三名の俳優が参加しています。そのうちの二名は、劇中では主にフランス語を話すために、一年以上にわたってフランス語の習得に努めてきました。制作、技術スタッフも、日仏のメンバーが協働で参画する新しいタイプのプロジェクトとなりました。
 上演は、どの劇場でも大変好評で、主催のティオンビル国立演劇センターは、すでに、来シーズン以降の再演、フランス国内巡演に向けて、プロモーションに入りました。日本の皆様にも早くご覧いただきたいと願っています。

もう一本は、新国立劇場の製作による日中合同公演『下周村-花に嵐のたとえもあるさ』です。こちらも、一月末から北京で稽古が始まりました。
 日韓合同公演『その河をこえて、五月』に続く企画となりますが、今回は、私が戯曲を主に担当し、中国の演出家李六乙が演出を主に担当する構成になっています。寒い北京で稽古を重ね、3月20日に香港芸術祭で初日を迎え、北京公演の後、五月中旬に新国立劇場での上演となります。
旧作『さよならだけが人生か』をベースに、舞台を中国に移して、歴史とは何かという大命題をテーマにした力作です。ぜひ、おいでください。

 私自身は、このあと、ブザンソン国立演劇センターでの、日・仏・イラン三カ国合作の舞台制作、ベルギー王立劇場への新作書き下ろし、パリ郊外のジュヌビリエ国立演劇センターでの新作制作(作・演出)と国際共同作業が続きます。
これからも、国内外での活動のバランスをとりつつ、多彩な作品をお届けしたいと考えております。
 今後とも、青年団共々、より一層の、ご支援をお願いいたします。

2007.2.7. 平田オリザ

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