『もう風も吹かない』11月29日初日です

2025年11月17日

ごぶさたいたしております。

ここから、いろいろな公演が続きます。
 ぜひ、劇場に足をお運びください。

まず最初は、私が学長を務める芸術文化観光専門職大学のパフォーミングアーツプロジェクトです。

https://www.unhcr.org/jp/ws-251107

 このプロジェクトでは、毎年、本学がプロの演出家を招いて上演を行っています。
本年は、私が作、演出を担当しています。
学生演劇の水準をはるかに超えた作品となっています。ぜひ、多くの方にご喧伝ください。
以下は当日のパンフレットに書いた文章からの抜粋です。

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本作『もう風も吹かない』は、2003年桜美林大学文学部総合文化学科演劇コースの一期生の卒業公演にあたる桜美林パフォーミングアーツプログラム(OPAP)のために書き下ろされた作品です。
財政破綻から日本に通貨危機が起こり、海外支援が全面停止されるというストーリーは二十年以上前に書いた戯曲そのままです。その可能性は、よりいっそう現実味を帯びてきました。劇中で取りあげた農業の問題などは、あまりにリアルすぎてカットしようかとも考えましたが、若干の改変にとどめて上演に至りました。
本学での再演が決まったのは半年以上前でしたが、今年の夏以降は「ホームタウン問題」に端を発するJAICAたたきが始まり、さらに本作は不気味な現実味を増してしまいました。
世界中に自国中心主義の風潮が広がる中、「人を助ける」ということの本質について、舞台を通じて学生たちと考え続けた稽古期間は、宝物のような時間でした。私はこの点において、世界一幸福な学長でしょう。

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 劇団の次の公演は12月6日(土)、枚方市での『銀河鉄道の夜』ですが、すでにチケットは完売とのことです。ありがとうございます。

https://hirakata-arts.jp/event/detail_2690.html

 翌週12月12日からは江原河畔劇場で『サンタクロース会議』が上演されます。
今回は、10年ぶりにちょっとブラックな『サンタクロース会議・アダルト編』の上演もあります。どちらも大人だけでも楽しめる内容です。

https://ebara-riverside.com/play/play_2229/

 年末の12月21,22日には全国の若手演出家が集まる演劇人コンクール

https://ebara-riverside.com/play/play_10327/

そして年明けには、たじま児童劇団『十五少年・少女漂流記』の再演です。

江原河畔劇場は、年末年始も休みなく活動が続きます。

 劇団青年団、江原河畔劇場、芸術文化観光専門職大学教員、学生が深く関わっている出石特別支援学校の活動「演劇のまちで見守られ、高める生きる力」が、このたび第40回時事通信社「教育奨励賞」優良賞受賞校に選ばれました。
 ありがとうございます。

https://edu-naigai.jiji.com/article/2586

 東京のアトリエ春風舎、豊岡の江原河畔劇場では、それぞれ支援会員を募集しています。かつてのこまばアゴラ劇場ほどには豊富な観劇ラインナップをご用意できませんが、劇団活動と、そして若手の発表の場としての劇場を維持するためにご支援を検討していただければ幸いです。

http://www.komaba-agora.com/members

https://ebara-riverside.com/member/

芸術文化観光専門職大学は11月の推薦入試の募集を締め切りました。大学経営が厳しさを増す中、本学は、昨年度より多くの志願者を集めています。今後もオンリーワンに磨きをかけて、世界に通じる人材を育成していきたいと思います。

但馬の山々は、そろそろ初雪を迎えます。
 劇場で、皆さんとお目にかかれることを楽しみにしております。

 平田オリザ