長らく、ご無沙汰をいたしております。
今年も豊岡演劇祭のシーズンがやってきました。ぜひ、皆さん、豊岡においでください。
まだ五回目の開催ですが、今年はさらに参加団体、演目数も増え,名実ともに日本最大級の演劇祭に育ちました。また今年からは国際化を加速させ,国際交流基金の協力も得て、世界各国のプロデューサーや芸術監督が豊岡演劇祭を訪れる仕組み作りが始まりました。
見本市的な性格をさらに伸ばし、アジアのハブとなるような演劇祭を目指します。
https://toyooka-theaterfestival.jp/
完売の回も増えてきました。人気演目は、早めにご予約ください。
私自身は、いま、立体音響を駆使した新作オペラ『その星には音がない -時計仕掛けの宇宙-』の稽古を進めています。いままで誰も観たことのない舞台をお届けできるかと思います。
https://toyooka-theaterfestival.jp/program/13991/
音のない星の住人が、音、声、言葉を取り戻していく作品です。
このオペラは、瀬戸内国際芸術祭、水戸国際音楽祭との共同制作です。高松、水戸でも上演があります。演劇、美術、音楽のそれぞれの芸術祭との共同企画も画期的なことだと思います。ご喧伝いただければ幸いです。
https://setouchi-artfest.jp/events/
https://www.mito-musicfestival.jp/
豊岡演劇祭の最大の特徴は観光との連動です。
観劇に疲れたら温泉に入る。毎日、何を食べるかも楽しみとなるでしょう。
私自身、世界中の演劇祭にお招きいただきましたが、これほど多様な楽しみ方ができる演劇祭は豊岡だけだと自負しています。
今年は新温泉町も加わり、但馬圏域三市二町が開催エリアとなりました。平日も,様々なプログラムが用意されていますので、長めに滞在してゆっくりと地域全体を楽しんでいただけると幸いです。9月18日には,まちバルも開催されます。
演劇やダンスに、あまり興味のない方でもお誘いいただける演劇祭です。
宿が取れないという声も聞きますが、江原周辺、神鍋高原などは旅行サイトには載ってなくても空き室があります。各地の観光協会(豊岡観光協会ではなく)にお問い合わせください。
他に青年団関連の上演としては、今年韓国でも上演を行った劇団のレパートリー作品『S高原から』
https://toyooka-theaterfestival.jp/program/14003/
喜界島の珊瑚礁研究所との共同制作『海のセレナーデ』
https://toyooka-theaterfestival.jp/program/14000/
などの上演があります。ぜひ、足をお運びください。
なお、『S高原から』は、鳥の演劇祭でも上演予定です。
https://www.birdtheatre.org/engekisai/program/08.html
大学ではいま、学生たちと地域共同の作品作りに取り組んでいます。こちらは9月27,28日に、城崎の町歩きイベントと連動する形での上演になります。
https://kinosaki-spa.gr.jp/do/27748/
この『ちっちゃい姫とユレルン博士』も、「鳥の演劇祭」でも上演します。
https://www.birdtheatre.org/engekisai/program/13.html
さて、東京のアトリエ春風舎、豊岡の江原河畔劇場では、それぞれ支援会員を募集しています。かつてのこまばアゴラ劇場ほどには豊富な観劇ラインナップをご用意できませんが、劇団活動と、そして若手の発表の場としての劇場を維持するためにご支援を検討していただければ幸いです。豊岡演劇祭で無料観劇できる演目も多くあります。
http://www.komaba-agora.com/members
https://ebara-riverside.com/member/
まだまだ暑さが続きますが、ご自愛ください。
劇場で、皆さんとお目にかかれることを楽しみにしております。
平田オリザ