『転校生』明日からです

2025年1月10日

あけましておめでとうございます。
 2025年もよろしくお願い申し上げます。

 以前にもお知らせしましたが、たじま児童劇団の『転校生』が明日(11日)からとなりました。今年度、私が関わる上演はこれが最後となります。
 是非、劇場に足をお運び下さい。

https://ebara-riverside.com/play/play_7911/

以下、当日パンフレットの文章です。

『転校生』は1994年、東京の今はなき青山円形劇場主催の青山演劇フェスティバルのために書き下ろされました。青山演劇フェスティバルは毎年テーマが決まっていたのですが、この年は「女子高生」がテーマということで、なぜか私に白羽の矢が立ち、現役高校生だけで作る舞台を任されたのでした。
 今でこそ、こういった企画は各地で展開されていますが、完全公募、ワークショップによるオーディションなど当時としてはいずれも珍しく話題を集めた公演となりました。
その後は飴屋法水さん、本広克行さんなどが演出を手がけてくださり、国内外での公演が続きました。2015年の本広版『転校生』には、昨年末の紅白歌合戦で司会を務めた伊藤沙莉さんも出演していました。
こうして、各地で上演されてきた『転校生』ですが、私自身が演出をするのは、昨年の但馬版が初演以来30年ぶりのことでした。
ポケベル全盛時代、まだインターネットもない時代に書いた作品なので、少しずつ台詞は改変しました。しかし、結果として自分でも驚くほどに台本の骨格は初演のままで進めることが出来ました。情報化や国際化がいくら進んでも、当たり前のことですが、高校生たちの生の不安定さはまったく変わっていないということなのだと思います。
昨年冬の上演はたいへん好評で、豊岡演劇祭での再演がすぐに決まりました。
 そして今年は、キャストを一新しての新版『転校生』となります。この冬、但馬ではインフルエンザが猛威を振るい、結局、全員が集まれた稽古は一日もないという厳しい環境でしたが、参加する俳優たちはよく助け合い、補い合って初日を迎えることが出来ました。
送迎などにご協力いただいた保護者の皆様にも感謝申し上げます。

 会場は江原河畔劇場です。
 連休中ですので、全国の皆さん、蟹のシーズンの城崎温泉に遊びに来るついでに、ぜひお立ち寄り下さい。

周りの方にもご喧伝いただければ幸いです。

 今年も青年団と江原河畔劇場をよろしくお願い申し上げます。

 平田オリザ