常磐線舞台芸術祭まもなくです。

2023年7月19日

私の小説『幕が上がる』の演劇版上演、9ステージ無事終了しました。たくさんのご来場、ありがとうございました。
 
https://makugaagaru-stage.com/

中貝宗治前豊岡市長の著書が刊行されました。演劇のまちづくりなどについて詳しく記されています。地方行政、文化政策などに関心のある方には、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

常磐線舞台芸術祭が近づいてきました。
ぜひ、おいでください。
私たちは鉄道にちなんだ三演目で参加します。

https://joban-line-paf.jp/

豊岡演劇祭は、去る6月22日に記者会見を終え、着実に準備が進んでおります。
 チケット発売は但馬地域が7月25日から、全国発売が8月1日からになります。

https://toyooka-theaterfestival.jp/

芸術文化観光専門職大学では、「本学の教育における生成系AIの取り扱いについて」という学長メッセージを発出しました。

https://www.at-hyogo.jp/news/2023/07/000688.html

 さて、こまばアゴラ劇場、劇団青年団は昨年末に告発のあった谷賢一氏のハラスメント案件を深刻な事態と捉え、この半年間、機構改革の検討やハラスメント対策のいっそうの充実を進めてきました。
まず3月には、これまでの蓄積を元に、ハラスメントのガイドライを発出しました。

http://www.seinendan.org/seinendan-wp/wp-content/uploads/2023/03/Harassment-Prevention-Guidelines.pdf

続いて、2023年6月末をもって青年団演出部を解散することといたしました。

青年団はこれまで、他の劇団に比してもいち早くハラスメント対策に取り組み、外部の講師も含めた講習会なども開いてきました。しかしながらハラスメント案件は、その性質上、どうしても隠蔽されやすく、組織としては告発があってからの事後対応に終始せざるを得ませんでした。「知らないはずがない」という意見を散見しますが、知らないところで起こるのがハラスメントの特徴であり組織としての対応を難しくしています。
特に青年団演出部は同人的な集まりであり、なんの拘束力もなく、自由にそれぞれが活動できるところに利点がありました。しかしながら一方で青年団本体は、演出家個々人の外部での活動を監視することは出来ない仕組みともなっています。
 また青年団、あるいは平田オリザ個人がもっている権威が、関係者のハラスメントを起こしやすくしている側面は否めないと考えています。実態に反して、外から見た組織の形が肥大化してしまった面もあるかと思います。
そこで組織を縮小、再編成することでしか抜本的な対策にはならないという結論に至りました。

ただ、演出部の解散はハラスメント対応だけがすべてではありません。公共ホールの役割が増し、民間小劇場での人材育成については、その質を見直す時期に来たとも感じていました。詳しくは8月発売の『悲劇喜劇』のロングインタビューでも語っていますのでご笑覧いただければ幸いです。
 教育関連などで劇団に残るメンバーもおります。また無隣館は、何らかの形で不定期に開催する予定です。一方、これまで行ってきた青年団自主企画、青年団リンクといったシステムはなくなります。

青年団、こまばアゴラ劇場、江原河畔劇場は、今後ともハラスメント防止対策に取り組み、それが発覚した際には速やかに厳しい対応をとっていきます。
 また三者は、今後とも、ハラスメントが起きない、起きにくい演劇界の構築に協力して参ります。

こまばアゴラ劇場芸術総監督、青年団代表  平田オリザ