帰国

2014年11月16日

 アンドロイド版『変身』は、ルーアンでの三日間の公演を終えて、いまポワティエ公演の準備中です。

http://www.tap-poitiers.com/la-metamorphose-version-androide-1014

ル・モンドは辛口でしたが、フィガロにはとてもいい劇評が出たようです。
ル・モンドも、写真は大きかったのですが。

http://blog.lefigaro.fr/theatre/2014/11/la-metamorphose-version-androi.html

私は本隊と離れて、日本に帰ります。いまは、パリのシャルル・ドゴール空港で搭乗を待っています。

『幕が上がる』の文庫化の前に、石黒浩先生の『どうすれば「人」を創れるか アンドロイドになった私』が文庫化されました。こちら、解説を私が書いています。前文、このサイトで読めます。

http://honz.jp/articles/-/40931

11月の上演は、国内外含めて、ほぼ満席です。12月には、西日本を回ります。どうぞ、おいで下さい。こちらも売れ行き好調のようなので、ご予約はお早めに。

http://www.seinendan.org/play/2014/07/3862

日記の続き

11月11日(火) 朝食をとったあと部屋で原稿を書いているとロボットが動かなくなったと劇場から連絡が入る。原因は分からないけれど、どうも基盤がダメになったらしく、応急措置を執るとともに、基盤を日本から運ぶことに。この時点で、日本時間11日の19時。紆余曲折あって、ロボット制作会社から新しくプログラミングした基盤を羽田に持ってきてもらい、うちの劇団員の一人がそれを受けとって、日本時間24時半羽田発パリ行きの深夜便で運ぶことに。どうにかチケットもとれ、基盤も間に合って搭乗。
 午後から予定通り、舞台稽古。昼食は近くの中華料理のテイクアウトを買ってきてもらう。ロボットは動かないけど声は出るので、それに合わせて稽古を進める。ゲネプロは中止。
早めに稽古を終えて、いったんホテルに戻り夜はフェスティバルスタッフと夕食会。来年行く台湾のフェスティバルディレクターも合流。何人かから、誕生日のプレゼントをもらう。あとから聞いた話では、今日の稽古の際に、サプライズで私の誕生日祝いを企画していたらしいのだけど、ロボットの故障でそれどころではなくなってしまったそうだ。申し訳ないことをした。私のせいじゃないけど。

12日(水) 運び屋の劇団員は、朝の五時過ぎ(フランス時間)にパリについて、フェスティバルの車でルーアンへ。11時過ぎ、とりあえず動いたとの連絡あり。午後はゲネプロ。
 私は12時にフェスティバルの車でパリへ。パリでラジオ出演。ロール・アドレールという有名なジャーナリスト(マルグリット・デュラスの評伝を書いたことでも有名)の番組で、これに出ることはとても名誉なことらしい。私は海外の演出家で優遇されているようで、三回目の出演。フランスの演出家たちにはいつも羨ましがられる。
 自分の出番が終わると、すぐに車でルーアンに戻る。30分の収録のために片道2時間かけてパリ往復。でも、それくらい影響力のある番組らしい。
 18時に劇場に戻って、ロボットの様子を確認。まぁ、どうにか行けそう。石黒先生も到着。知っているジャーナリストや劇場のディレクター、プロデューサーがだくさん来ていて、挨拶に回っているうちに開場。
 20時、満員の客席。この日は、ノルマンディフェスティバルが今年で終わることに対しての抗議の意味を込めて、フェスティバル職員たちが開演前に舞台上に並び、ビクトルユーゴが書いたマニュフェストを流した。それが終わってしばらくして開演。
 大きな劇場に不慣れなのと、初日ということもあって、少し演技が固い。
 21時半終演。カーテンコールの三回目で、私と石黒先生も舞台へ。さらに四回目のカーテンコールもあり。まずまずの反応。
 テレビインタビュー一件。そのあとはロビーでカクテル。おおむね、好評のよう。
 11時、ホテルに戻る。少しお腹が空いたので、買っておいたマフィンと、ホテルの朝食からくすねたバナナを食べて眠る。